就業規則の作成義務と届出方法

就業規則とは労働者が働いていくうえで守らなければならないルールや労働条件について定めるものです。
労働者の数が一定以上であれば労働基準法で作成が義務付けられますが、労働者の数が一定数に満たない場合であっても、労務トラブルを防止する観点から就業規則を作成する場合もあります。
このページでは就業規則の作成や届出について説明していきます。

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パートタイム労働者とはどのような従業員を指すのか?

従業員を働き方によって「正社員」「準社員」「パート」「アルバイト」など様々な呼び方があります。
会社によってはパートは日中の時間給者、アルバイトは夕方以降の時間給者など分けている場合もあります。
しかし厚生労働省ではパートタイム労働者とはどのような働き方をする労働者なのかを明確にするため、次のように定義しています。
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第62条 無期労働契約への転換

第62条 (無期労働契約への転換)
1 期間の定めのある労働契約で雇用する従業員のうち、通算契約期間が5年を超える従業員は、別に定める様式で申込むことにより、現在締結している有期労働契約の契約期間の末日の翌日から、期間の定めのない労働契約での雇用に転換することができる。

2 前項の通算契約期間は、平成25年4月1日以降に開始する有期労働契約の契約期間を通算するものとし、現在締結している有期労働契約については、その末日までの期間とする。ただし、労働契約が締結されていない期間が連続して6ヶ月以上ある社員については、それ以前の契約期間は通算契約期間に含めない。

3 この規則に定める労働条件は、第1項の規定により期間の定めのない労働契約での雇用に転換した後も引き続き適用する。ただし、無期労働契約へ転換した従業員に係る定年は、満_歳とし、定年に達した日の属する月の末日をもって退職とする(第45条)。

作成のポイント

1 平成25年4月1日以後に開始する有期労働契約が、同一の使用者との間で通算で5年を超えて繰り返し更新された場合は、労働者の申込みにより期間の定めのない労働契約(無期労働契約)へ転換します(労働契約法第18条)。無期労働契約への申込みは、申込みをしたかどうかの争いを防ぐため、書面の様式を整備することをおすすめします。

2 無期労働契約の労働条件(職務、勤務地、賃金、労働時間など)は、別段の定め(労働協約、就業規則、個々の労働契約)がない限り、直前の有期労働契約と同一となります。特に、定年など、有期契約労働者には通常適用されない労働条件を無期転換後の労働条件として適用する必要がある場合には、あらかじめ労働協約、就業規則、個々の労働契約によりその内容を明確化しておくようにしてください。

無期転換ルールに関する厚生労働省の資料

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第12章 無期労働契約への転換

平成25年4月1日に施行された労働契約法の改正により、有期契約労働者が同一の使用者のもとで5年以上更新され続けた場合に、労働者の申出により、無期雇用契約に転換されることになりました。
これを無期転換ルールといいますが、この無期転換ルールについて就業規則で規定しておくことで雇用契約に関する従業員とのトラブルを防止することができます。
ここではこの無期転換ルールについて説明をします。

第61条 懲戒の事由

第61条(懲戒の事由)

1 労働者が次のいずれかに該当するときは、情状に応じ、けん責、減給又は出勤停止とする。
①正当な理由なく無断欠勤が   日以上に及ぶとき。
②正当な理由なくしばしば欠勤、遅刻、早退をしたとき。
③過失により会社に損害を与えたとき。
④素行不良で社内の秩序及び風紀を乱したとき。
⑤性的な言動により、他の労働者に不快な思いをさせ、又は職場の環境を悪くしたとき。
⑥性的な関心を示し、又は性的な行為をしかけることにより、他の労働者の業務に支障を与えたとき。
⑦第11条、第13条、第14条に違反したとき。
⑧その他この規則に違反し又は前各号に準ずる不都合な行為があったとき。

2 労働者が次のいずれかに該当するときは、懲戒解雇とする。ただし、平素の服務態度その他情状によっては、第49条に定める普通解雇、前条に定める減給又は出勤停止とすることがある。
①重要な経歴を詐称して雇用されたとき。
②正当な理由なく無断欠勤が  日以上に及び、出勤の督促に応じなかったとき。
③正当な理由なく無断でしばしば遅刻、早退又は欠勤を繰り返し、  回にわたって注意を受けても改めなかったとき。
④正当な理由なく、しばしば業務上の指示・命令に従わなかったとき。
⑤故意又は重大な過失により会社に重大な損害を与えたとき。
⑥会社内において刑法その他刑罰法規の各規定に違反する行為を行い、その犯罪事実が明らかとなったとき(当該行為が軽微な違反である場合を除く。)。
⑦素行不良で著しく社内の秩序又は風紀を乱したとき。
⑧数回にわたり懲戒を受けたにもかかわらず、なお、勤務態度等に関し、改善の見込みがないとき。
⑨職責を利用して交際を強要し、又は性的な関係を強要したとき。
⑩第13条に違反し、その情状が悪質と認められるとき。
⑪許可なく職務以外の目的で会社の施設、物品等を使用したとき。
⑫職務上の地位を利用して私利を図り、又は取引先等より不当な金品を受け、若しくは求め若しくは供応を受けたとき。
⑬私生活上の非違行為や会社に対する正当な理由のない誹謗中傷等であって、会社の名誉信用を損ない、業務に重大な悪影響を及ぼす行為をしたとき。
⑭正当な理由なく会社の業務上重要な秘密を外部に漏洩して会社に損害を与え、又は業務の正常な運営を阻害したとき。
⑮その他前各号に準ずる不適切な行為があったとき。

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作成のポイント

  • 本条では、第1項にて「けん責、減給、出勤停止」とする場合の事由を、第2項にて「懲戒解雇」とする場合の事由を定めています。
  • 懲戒処分については、最高裁判決(国鉄札幌運転区事件 最高裁第3小法廷判決昭和54年10月30日)において、使用者は規則や指示・命令に違反する労働者に対しては、「規則の定めるところ」により懲戒処分をなし得ると述べられています。したがって、就業規則に定めのない事由による懲戒処分は懲戒権の濫用と判断されることになります。
      また、懲戒の事由の内容について、労基法上の制限はありません。しかし、契約法第15条において「使用者が労働者を懲戒することができる場合において、当該懲戒が、当該懲戒に係る労働者の行為を性質及び態様その他の事情に照らして、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、当該懲戒は、無効とする。」と定められており、懲戒事由に合理性がない場合、当該事由に基づいた懲戒処分は懲戒権の濫用と判断される場合があります。
  • 懲戒処分の対象者に対しては、規律違反の程度に応じ、過去の同種事例における処分内容等を考慮して公正な処分を行う必要があります。裁判においては、使用者の行った懲戒処分が公正とは認められない場合には、当該懲戒処分について懲戒権の濫用として無効であると判断したものもあります。
  • 第60条 懲戒の種類

    第60条 
    会社は、労働者が次条のいずれかに該当する場合は、その情状に応じ次の区分により懲戒を行う。
    ①けん責
       始末書を提出させて将来を戒める。
    ②減給
       始末書を提出させて減給する。ただし、減給は1回の額が平均賃金の1日分の5割を超えることはなく、また、総額が1賃金支払期における賃金総額の1割を超えることはない。
    ③出勤停止
       始末書を提出させるほか、  日間を限度として出勤を停止し、その間の賃金は支給しない。
    ④懲戒解雇
    予告期間を設けることなく即時に解雇する。この場合において、所轄の労働基準監
    督署長の認定を受けたときは、解雇予告手当(平均賃金の30日分)を支給しない。

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    第58条 教育訓練

    第58条 
    会社は、業務に必要な知識、技能を高め、資質の向上を図るため、労働者に対し、必要な教育訓練を行う。
    2 労働者は、会社から教育訓練を受講するよう指示された場合には、特段の事由がない限り教育訓練を受けなければならない。
    3 前項の指示は、教育訓練開始日の少なくとも  週間前までに該当労働者に対し文書で通知する。

    作成のポイント

    教育訓練については就業規則の相対的必要記載事項に該当するため、制度があれば就業規則に記載しなければなりません。
    教育訓練を行うにあたり、性別を理由に差別的な取り扱いをすることは男女雇用機会均等法で禁止されています。

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    注意点

    業務を行う上で必要な技能を身に着けるための資格の取得や研修については、会社で費用を負担する必要があります。
    しかし一方で資格を取得した時点で会社を退職し、他社に転職してしまうのではという懸念があります。この点についてもしも退職を制限するような規定を設けると強制労働に該当する可能性があり、また費用の返還を求めると賠償予定の禁止を定めている労働基準法第16条に該当する可能性も出てきます。したがってもしも資格取得に要した費用について、資格取得後すぐに退職した従業員から資格取得費用の返還を求めたいということであれば、金銭消費貸借契約を雇用契約と無関係に結び、あくまでも従業員本人のスキルアップが目的であること、自由意思により資格取得を行うことをクリアする必要があります。ただしその場合であってもその資格が業務に必要であれば、会社が費用を負担するべきという考え方は存在しますので、会社が返還請求を行えない可能性を含んでいると考える必要があります。

    関連条文

    男女雇用機会均等法第6条

    第59条 表彰

    第59条
    会社は、労働者が次のいずれかに該当するときは、表彰することがある。
    ① 業務上有益な発明、考案を行い、会社の業績に貢献したとき。
    ② 永年にわたって誠実に勤務し、その成績が優秀で他の模範となるとき。
    ③ 永年にわたり無事故で継続勤務したとき。
    ④ 社会的功績があり、会社及び労働者の名誉となったとき。
    ⑤ 前各号に準ずる善行又は功労のあったとき。
    2 表彰は、原則として会社の創立記念日に行う。また、賞状のほか賞金を授与する。

    作成のポイント

    表彰については就業規則の相対的必要記載事項です。ですから表彰についてルールがあるのであればその種類及び程度に関する事項について対象事由、種類及び程度及び手続きについて具体的に記載しなければなりません。
    上記の就業規則は厚生労働省のモデル就業規則に載っている一例です。このようなものでなければならないというものではありません。会社の実態に応じて貢献度の高い従業員を実際に表彰できるような就業規則の文言にしましょう。

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    注意点

    表彰を行う従業員についてひいきすることはできません。この規定を作り実際に表彰を行うのであれば、該当した場合にはひいきすることなく表彰を行いましょう。それにより生産性が高まり、従業員がやる気を持ち活き活きと仕事を行うようになります。

    第57条 災害補償

    第57条 
    労働者が業務上の事由又は通勤により負傷し、疾病にかかり、又は死亡した場合は、労基法及び労働者災害補償保険法(昭和22年法律第50号)に定めるところにより災害補償を行う。

    作成のポイント

    災害補償に関しては労働基準法上は相対的必要記載事項とされています。そのため、ルールを決めた場合については就業規則に記載しなければならない事項であるとされいます。

    注意点

    労災保険は労働基準法の災害補償の項目が根拠になっています。その労災保険を使用して労働者の業務上の負傷や疾病を保障することを規定しているのがこの就業規則の内容になります。
    労災保険は業務上の事由による負傷や疾病だけではなく、通勤途中の負傷、疾病及び死亡についても規定しています。したがって、労働基準法が本来求めていた労働者の補償の範囲が、法作成当初よりも人がっているといえます。
    労災保険は従業員が正社員だけではなく、パートタイム労働者やアルバイトなども補償されます。

    関連条文