第58条 教育訓練

第58条 
会社は、業務に必要な知識、技能を高め、資質の向上を図るため、労働者に対し、必要な教育訓練を行う。
2 労働者は、会社から教育訓練を受講するよう指示された場合には、特段の事由がない限り教育訓練を受けなければならない。
3 前項の指示は、教育訓練開始日の少なくとも  週間前までに該当労働者に対し文書で通知する。

作成のポイント

教育訓練については就業規則の相対的必要記載事項に該当するため、制度があれば就業規則に記載しなければなりません。
教育訓練を行うにあたり、性別を理由に差別的な取り扱いをすることは男女雇用機会均等法で禁止されています。

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注意点

業務を行う上で必要な技能を身に着けるための資格の取得や研修については、会社で費用を負担する必要があります。
しかし一方で資格を取得した時点で会社を退職し、他社に転職してしまうのではという懸念があります。この点についてもしも退職を制限するような規定を設けると強制労働に該当する可能性があり、また費用の返還を求めると賠償予定の禁止を定めている労働基準法第16条に該当する可能性も出てきます。したがってもしも資格取得に要した費用について、資格取得後すぐに退職した従業員から資格取得費用の返還を求めたいということであれば、金銭消費貸借契約を雇用契約と無関係に結び、あくまでも従業員本人のスキルアップが目的であること、自由意思により資格取得を行うことをクリアする必要があります。ただしその場合であってもその資格が業務に必要であれば、会社が費用を負担するべきという考え方は存在しますので、会社が返還請求を行えない可能性を含んでいると考える必要があります。

関連条文

男女雇用機会均等法第6条

第59条 表彰

第59条
会社は、労働者が次のいずれかに該当するときは、表彰することがある。
① 業務上有益な発明、考案を行い、会社の業績に貢献したとき。
② 永年にわたって誠実に勤務し、その成績が優秀で他の模範となるとき。
③ 永年にわたり無事故で継続勤務したとき。
④ 社会的功績があり、会社及び労働者の名誉となったとき。
⑤ 前各号に準ずる善行又は功労のあったとき。
2 表彰は、原則として会社の創立記念日に行う。また、賞状のほか賞金を授与する。

作成のポイント

表彰については就業規則の相対的必要記載事項です。ですから表彰についてルールがあるのであればその種類及び程度に関する事項について対象事由、種類及び程度及び手続きについて具体的に記載しなければなりません。
上記の就業規則は厚生労働省のモデル就業規則に載っている一例です。このようなものでなければならないというものではありません。会社の実態に応じて貢献度の高い従業員を実際に表彰できるような就業規則の文言にしましょう。

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注意点

表彰を行う従業員についてひいきすることはできません。この規定を作り実際に表彰を行うのであれば、該当した場合にはひいきすることなく表彰を行いましょう。それにより生産性が高まり、従業員がやる気を持ち活き活きと仕事を行うようになります。

第57条 災害補償

第57条 
労働者が業務上の事由又は通勤により負傷し、疾病にかかり、又は死亡した場合は、労基法及び労働者災害補償保険法(昭和22年法律第50号)に定めるところにより災害補償を行う。

作成のポイント

災害補償に関しては労働基準法上は相対的必要記載事項とされています。そのため、ルールを決めた場合については就業規則に記載しなければならない事項であるとされいます。

注意点

労災保険は労働基準法の災害補償の項目が根拠になっています。その労災保険を使用して労働者の業務上の負傷や疾病を保障することを規定しているのがこの就業規則の内容になります。
労災保険は業務上の事由による負傷や疾病だけではなく、通勤途中の負傷、疾病及び死亡についても規定しています。したがって、労働基準法が本来求めていた労働者の補償の範囲が、法作成当初よりも人がっているといえます。
労災保険は従業員が正社員だけではなく、パートタイム労働者やアルバイトなども補償されます。

関連条文

第56条 安全衛生教育

第56条 
労働者に対し、雇入れの際及び配置換え等により作業内容を変更した場合、その従事する業務に必要な安全及び衛生に関する教育を行う。
2 労働者は、安全衛生教育を受けた事項を遵守しなければならない。

作成のポイント

会社は従業員を雇い入れた場合や配置転換を行った場合には安全衛生に関する教育を行わなければなりません。これは労働安全衛生法によって決められています。

注意点

安全衛生教育の実施に要する時間は労働時間と解されますので、当該教育が法定労働時間外に行われた場合には、当然、割増賃金の支払が必要になります。また安全委衛生教育に必要な費用が生じた場合には、その費用は会社が負担しなければならないものになります。

関連条文

労働安全衛生法第59条

第55条 健康管理上の個人情報の取扱い

第55条 
会社への提出書類及び身上その他の個人情報(家族状況も含む)並びに健康診断書その他の健康情報は、次の目的のために利用する。
① 会社の労務管理、賃金管理、健康管理
② 出向、転籍等のための人事管理
2 労働者の定期健康診断の結果、労働者から提出された診断書、産業医等からの意見書、過重労働対策による面接指導結果その他労働者の健康管理に関する情報は、労働者の健康管理のために利用するとともに、必要な場合には産業医等に診断、意見聴取のために提供するものとする。

作成のポイント

個人情報保護の観点から、健康診断の結果については慎重に取り扱う必要があります。個人情報の適正な取り扱いを行うことを従業員に対して就業規則により宣言するために記載します。

注意点

健康診断の結果については5年間保存が義務付けられています。個人情報が多く含まれているものですから、従業員がすぐにみられない場所に保管をしましょう。

関連条文

労働安全衛生法施行規則第51条

第54条 健康診断

第54条
労働者に対しては、採用の際及び毎年1回(深夜労働に従事する者は6か月ごとに1回)、定期に健康診断を行う。
2 前項の健康診断のほか、法令で定められた有害業務に従事する労働者に対しては、特別の項目についての健康診断を行う。
3 長時間の労働により疲労の蓄積が認められる労働者に対し、その者の申出により医師による面接指導を行う。
4 第1項及び第2項の健康診断並びに前項の面接指導の結果必要と認めるときは、一定期間の就業禁止、労働時間の短縮、配置転換その他健康保持上必要な措置を命ずることがある。

作成のポイント

  1. 従業員の健康診断については労働安全衛生法で実施が義務付けられています。一般健康診断については1年に1回、深夜労働に従事する従業員については6か月に1回健康診断を行わなければなりません。この安全衛生について規定を作成した場合には就業規則に載せなければなりません(相対的記載事項)。
  2. 事業の内容により必要な健康診断が違うため、就業規則に記載する内容についても事業実態に合わせて変える必要があります。
  3. 会社は健康診断や面接指導の結果、作業の転換、労働時間の短縮、深夜業の回数の減少等の措置を講じなければなりません

注意点

  1. 健康診断については実施が事業主の義務ですので、費用は事業所で負担しなければなりません。
  2. しかし、一般健康診断については健康診断に要した時間を有給とすることまで法律上求められていないため、有給でも無休でもどちらでも構いません。
  3. 安全衛生に関しては安全委員会や衛生委員会の付議事項ですので、就業規則に記載する場合には安全委員会か衛生委員会の審議を受けなければなりません。
  4. 従業員が採用前3か月以内に健康診断を実施し、その結果を証明する書類を提出した場合には、受診した項目については採用時の健康診断を省略することができます。

関連条文

労働基準法第89条
労働安全衛生法第66条

第53条 遵守事項

第53条 会社は、労働者の安全衛生の確保及び改善を図り、快適な職場の形成のために必要な措置を講ずる。
2 労働者は、安全衛生に関する法令及び会社の指示を守り、会社と協力して労働災害の防止に努めなければならない。
3 労働者は安全衛生の確保のため、特に下記の事項を遵守しなければならない。
① 機械設備、工具等の就業前点検を徹底すること。また、異常を認めたときは、
速やかに会社に報告し、指示に従うこと。
② 安全装置を取り外したり、その効力を失わせるようなことはしないこと。
③ 保護具の着用が必要な作業については、必ず着用すること。
④ 喫煙は、所定の場所以外では行わないこと。
⑤ 立入禁止又は通行禁止区域には立ち入らないこと。
⑥ 常に整理整頓に努め、通路、避難口又は消火設備のある所に物品を置かないこ
と。
⑦ 火災等非常災害の発生を発見したときは、直ちに臨機の措置をとり、    に
報告し、その指示に従うこと。

作成のポイント

会社は労働者が安全で健康に働くことができるように、職場環境の整備をすることが求められています。このことは労働安全衛生法で求められておりますが、特徴は会社だけが一方的に労働安全衛生法を守るのではなく、労働者にも労働災害を防止するための努力を求めている点です。
安全衛生面で労働者に特に求めることについて記載し、会社と労働者がともに労働者の安全な職場環境を作っていくことを明示しているのがこの条文です。

注意点

第3項については、各事業所の労働環境によって変える必要があります。その事業所で必要なものを選択して使用することもできますし、独自に文章を考えてもかまいません。必要に応じたルールを定めることが大切です。