第3章 服務規律

この服務規律の項目では、企業の事業活動で労働者が守るべきルールについて定める事が大切です。就業していくうえで守らなければならないルールや事業場内の施設を管理するうえで守らなければならないルールがあるので、その点について就業規則に記載し、全従業員が守るべきルールをはっきりさせておくべきであると言えます。

服務規律の項目で載せるべき内容

服務規律の項目では以下の点について記載し、ルールを明確にする必要があります。

  1. 就業に関する事項
  2. 施設管理に関する事項
  3. 業務外活動について

就業に関する事項

労働者が就業するうえで必要なルールについて定めます。
特に業務上の指示命令に服する義務や職務専念義務、職場内の秩序を維持するための義務についてあげられます。最近ではセクシャルハラスメントの防止に関する規定を載せる場合にはこの項目で載せることがあります。

施設管理に関する事項

事業場内の設備を使用する際の取り扱いについて定める項目です。施設や備品の管理について、機器の利用に関する取扱いなどが挙げられます。事業場内での政治活動や宗教活動の制限をする場合についてもこの項目で記載すると良いでしょう。

業務外活動について

この項目については事業場を出た後の労働者の行動について守るべきルールを載せます。事業外活動においても制限する必要がある項目としては秘密保持の義務や兼業の禁止などが挙げられます。秘密保持についても兼業の禁止についても守られないことになれば企業の利益を損ねる可能性があるため、活動を制限する必要があると言えます。

第16条 遅刻、相対、欠勤等

(遅刻、早退、欠勤等)
第16条 労働者は遅刻、早退若しくは欠勤をし、又は勤務時間中に私用で事業場から外出する際は、事前に    に対し申し出るとともに、承認を受けなければならない。ただし、やむを得ない理由で事前に申し出ることができなかった場合は、事後に速やかに届出をし、承認を得なければならない。
2 前項の場合は、第39条に定めるところにより、原則として不就労分に対応する賃金は控除する。
3 傷病のため継続して  日以上欠勤するときは、医師の診断書を提出しなければならない。

作成のポイント

1 事前に申出を要求することは会社の秩序を維持するうえで大切なことです。ただし、病気等により事前に申し出ることができない場合も考えられますので、やむを得ない場合の規定も同時に載せておく方が良いでしょう
2 欠勤何日以上で医師の診断書を提出させるかは、各事業場で決めることです。診断書には発行手数料がかかりますので7日間(1週間)程度にする会社が多いようです。
2 誰に申出を行うべきかは会社により違います。労働基準法上の規定はありませんので、所属長にすることが一般的です。

注意点

1 この規定は有給休暇を使わずに欠勤したり早退や遅刻をした場合の規定です。有給休暇については 許可制や承認制をとることはできませんので注意してください。
2 公民権の行使や業務上の傷病については欠勤や遅刻、早退を労働基準法上で認めなければならないこととされています。

参考条文

労働基準法第7条
労働基準法第39条

第15条 始業及び終業時刻の記録

(始業及び終業時刻の記録)
第15条 労働者は、始業及び終業時にタイムカードを自ら打刻し、始業及び終業の時刻を記録しなければならない。

【第15条 始業及び終業時刻の記録】
 労働時間の管理については、「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関する基準」(平成13年4月6日付け基発第339号)で、使用者が講ずべき措置が具体的に示されています。使用者は、この基準を遵守し、労働時間を適正に把握する等適切な時間管理を行ってください。
(参考)
「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関する基準(抜粋)」
1. 始業・終業時刻の確認及び記録
使用者は、労働時間を適正に管理するため、労働者の労働日ごとの始業・終業時刻を確認し、これを記録すること。
2. 始業・終業時刻の確認及び記録の原則的な方法
使用者が始業・終業時刻を確認し、記録する方法としては、原則として次のいずれかの方法によること。
(ア) 使用者が、自ら現認することによりこれを確認し、記録すること。
(イ) タイムカード、ICカード等の客観的な記録を基礎として確認し、記録す
ること。
3. 自己申告制により始業・終業時刻の確認及び記録を行う場合の措置
2の方法によることなく、自己申告制により行わざるを得ない場合、使用者は次の措置を講ずること。
(ア) 自己申告制を導入する前に、その対象となる労働者に対して、労働時間の実態を正しく記録し、適正に自己申告を行うことなどについて十分な説明を行うこと。
(イ) 自己申告により把握した労働時間が実際の労働時間と合致しているか否かについて、必要に応じて実態調査を実施すること。
(ウ) 労働者の労働時間の適正な申告を阻害する目的で時間外労働時間数の上限を設定するなどの措置を講じないこと。また、時間外労働時間の削減のための、社内通達や時間外労働手当の定額払等労働時間に係る事業場の措置が、労働者の労働時間の適正な申告を阻害する要因となっていないかについて確認するとともに、当該要因となっている場合においては、改善のための措置を講ずること。
4. 労働時間の記録に関する書類の保存
労働時間の記録に関する書類について、労働基準法第109条に基づき3年間保存すること。

第14条 個人情報保護

(個人情報保護)
第14条 労働者は、会社及び取引先等に関する情報の管理に十分注意を払うとともに、自らの業務に関係のない情報を不当に取得してはならない。
2 労働者は、職場又は職種を異動あるいは退職するに際して、自らが管理していた会社及び取引先等に関するデータ・情報書類等を速やかに返却しなければならない。

【第14条 個人情報保護】
 平成17年4月からの個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号)の全面施行により、使用者に個人情報の適正な管理に関する対策が義務付けられています。

第13条 職場のパワーハラスメントの禁止

【第13条 職場のパワーハラスメントの禁止】
 近年社会問題化している職場のパワーハラスメントについても、その防止・解決に向けて取り組むことが求められています。組織のトップが職場のパワーハラスメントをなくしていく態度を明確にすることが重要です(「職場のパワーハラスメントの予防・解決に向けた提言」)。
【参考】
 平成24年3月に厚生労働省の「職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議」が取りまとめた上記提言では、職場のパワーハラスメントの概念を以下のように整理しています。
職場のパワーハラスメントとは、同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為をいう。
パワーハラスメントという言葉は、上司から部下へのいじめ・嫌がらせを指して使われる場合が多いですが、先輩・後輩間や同僚間、さらには部下から上司に対して行われるものもあり、こうした行為も職場のパワーハラスメントに含める必要があることから、上記では「職場内の優位性」を「職務上の地位」に限らず、人間関係や専門知識などの様々な優位性が含まれるものと整理しています。
また、個人の受け取り方によっては、業務上必要な指示や注意・指導を不満に感じたりする場合でも、これらが業務上の適正な範囲で行われている場合には、パワーハラスメントには当たらないと考えるべきでしょう。
さらに、提言ではパワーハラスメントの行為類型として、以下のとおり示しています(典型的なものであり、すべてを網羅するものではないことに留意して下さい)。
①暴行・傷害(身体的な攻撃)
②脅迫・名誉毀損・侮辱・ひどい暴言(精神的な攻撃)
③隔離・仲間外し・無視(人間関係からの切り離し)
④業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制、仕事の妨害(過大な要求)
⑤業務上の合理性なく、能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや仕事を与えないこと(過小な要求)
⑥私的なことに過度に立ち入ること(個の侵害)

①については、業務の遂行に関係するものであっても、「業務の適正な範囲」に含まれるとすることはできません。
②と③については、業務の遂行に必要な行為であるとは通常想定できないことから、原則として「業務の適正な範囲」を超えるものと考えられます。
④から⑥までについては、業務上の適正な指導との線引きが必ずしも容易でない場合があると考えられます。こうした行為について何が「業務の適正な範囲を超える」かについては、業種や企業文化の影響を受け、また、具体的な判断については、行為が行われた状況や行為が継続的であるかどうかによっても左右される部分もあると考えられるので、各企業・職場で認識をそろえ、その範囲を明確にする取組を行うことが望まれます。

第11条 遵守事項

就業規則の遵守事項

(遵守事項)
第11条 労働者は、以下の事項を守らなければならない。
① 許可なく職務以外の目的で会社の施設、物品等を使用しないこと。
② 職務に関連して自己の利益を図り、又は他より不当に金品を借用し、若しくは贈
与を受ける等不正な行為を行わないこと。
③ 勤務中は職務に専念し、正当な理由なく勤務場所を離れないこと。
④ 会社の名誉や信用を損なう行為をしないこと。
⑤ 在職中及び退職後においても、業務上知り得た会社、取引先等の機密を漏洩しな
いこと。
⑥ 許可なく他の会社等の業務に従事しないこと。
⑦ 酒気を帯びて就業しないこと。
⑧ その他労働者としてふさわしくない行為をしないこと。

[adsense]

“第11条 遵守事項” の続きを読む

第10条 服務

就業規則の服務

第3章 服務規律

(服務)
第10条 労働者は、職務上の責任を自覚し、誠実に職務を遂行するとともに、会社の指示命令に従い、職務能率の向上及び職場秩序の維持に努めなければならない。